R5 校長室より

にぎやかな担任

あるクラスのお話です。

このクラスの担任はとってもにぎやかです。体育祭の練習でも人一倍に声を出し、生徒を鼓舞しています。その是非はともかくとして、それがこの担任の個性です。特に未成年は、いろんな個性に触れる中で少しずつ自我を形成します。だから学校職員にもいろんな個性があっていいと、私は思います。

さて、そんな担任は今日の体育祭練習でも絶好調。甲高い声で生徒に声をかけ続けています。一見すると担任がクラスの練習をリードしているような印象を受けがちなのですが・・・ふと、生徒の中からこんな声が聞こえました。「一度通そっか!」「こっち来て!」リレーのような競技を練習していた彼らですが、どうやら本番を想定して走ってみようと思い立ったようです。その呼びかけに応じ、クラスのみんなは所定の位置につきました。そして、「よーい、ドン!」本番通りに生徒たちの “激走” が始まって・・・。うすうすは気付いていましたが、どうやらこのクラスの練習をリードしているのは “にぎやかな担任” ではなく、リーダーを中心とした生徒たちのようです。

“にぎやかな担任” の受け持つクラスの中で、彼らは健全に主体性を育んでいるように思えます。やはりそこは中学生。それもまた、巣立ち(義務教育卒業)の準備なのかも知れません。