1年音楽の授業で『翼をください』を歌っていました。声がよく出ています。男声がけっこう低く、2年生合唱のような印象を受けます(まあ、音楽に関してはズブの素人の、まったくあてにはならない印象なのですが・・・)。歌い終わった後、教科担任が一人の生徒を指名します。そして「ボーイソプラノで歌ってみて!」と言い、ソプラノパートの伴奏を始めます。伴奏に合わせ、指名された生徒は独唱を始めます。う〜ん、きれいなボーイソプラノだなぁ・・・!仲間の視線を集めても、臆せず歌えるだけの気持ちの強さも見事です。周りとの信頼関係が築けている証しなのかも知れません。独唱後、周りからは自然と拍手が沸き起こります。少しふざけて頭をナデナデする生徒もいましたが(笑)、明るくて優しくて、実にいい雰囲気です。そんな生徒たちに対し、教科担任はこんなことを語ります。「今の時期、男子にはけっこう低い音の出る子もいれば、まだまだきれいなボーイソプラノの出せる子もいる。ボーイソプラノについては、今しか出せない声なんだから、思い切って堂々と出していけばいい。」なるほどと思いました。声の高低も個性の一部。どんな声がいいとか悪いとか、こんな声を出すべきとか、そんなのはきっとないんでしょうね。よく言われる “個性を生かす” ってことなのかも知れません。なかなか奥の深い言葉です。教科担任はさらに言葉を続けます。「そうやって拍手してくれるみんなも素敵だと思うよ。」こちらはおそらく “個性を認め合う” ということなのでしょう。私も同感、個性を認め合えるって素敵です。
R5 校長室より