R5 校長室より

3年生国語授業を参観し、感心しました。

▶『故郷』の読み取り授業でした。このお話は昔から教科書に載り続けていますよね。それだけ文学的価値の高い教材なのでしょう。本日、生徒たちが自身の読み取りを発表しているところを、時間にして15分ほど見せていただきました。で、正直 感心しました。3年生は3年生らしく、しっかりと “教科の力” をつけています。

▶私が見ていた15分間、生徒たちの手は絶えることなく挙がり続けていました。意欲的な姿です。もちろんそれも称賛すべきですが、今回 国語科である私をいたく感心させたのは、生徒たちの発言内容や、その質でした。

▶たとえば・・・本文中、主人公が昔の知り合いのことを「でくのぼうみたいな人間」と称する場面が出てきます。さて、ここをどう読みますか(解釈しますか)? 3年生は言葉通りに読みません。昔の知り合いをそんなふうに称する主人公の心情に迫ろうとするのです。他にも、文章全体を見て「・・・・・・」の使用傾向から読み取りをしたり、使われている言葉を別の言葉に置き換えて考えたり、叙述の意味(作者の意図)に迫る読み取りまでもありました。どれもこれも、生徒たちの「読む力」の確かさ、豊かさを示すものばかりです。

▶着実に “教科の力” をつけているなと感じました。生徒たちの意見をずっと聞いていたいと思わされました。常々「読み取りはクリエイティブな作業だ」と考える私にとって、それらは大変に嬉しい実感でした。